中傷投稿によって名誉毀損となる場合、民事上は不法行為(民法709条)が認められ、損害賠償請求をすることになります。
また刑事上は名誉棄損罪(刑法230条1項)で警察署に告訴することが可能となります。
しかし、刑事上の名誉棄損は、①名誉棄損行為が公共の利害に関する事実に係り,②その目的が専ら公益を図ることにあり,③摘示した事実が真実であることを行為者が証明されると、名誉棄損罪は成立しません(刑法230条の2第1項)。また仮に事実が真実であることを証明できない場合でも、事実を真実と誤信し、確実な資料、根拠に照らしての理由に相当の理由があるときは、名誉毀損罪は成立しません。
民事手続でも同様で、名誉毀損行為が公共の利害に関する事実に係り、もっぱら公益を図る目的に出た場合、①摘示された事実が真実であることが証明された場合は違法性がなく、②もし事実が真実であることが証明されなくても、事実を真実と信ずるについて相当の理由がある場合は故意・過失がなく、不法行為は成立しないとされています。
サイト管理者への投稿者の情報の開示依頼は、あくまでも 任意の依頼であり、サイトごとに開示基準等が異なっていること、投稿者の意見や感想が書き込まれているにすぎないといえるような場合には、 中傷記事ではないと対応されることもあります。
このように、「権利が侵害されたことが明らか」であることは、認められづらいのが現実です。
可能です。ただし、名誉毀損に当たるのかについて、議論がなされます。
プロバイダ責任制限法3条1項により、以下の要件を満たさない場合、サイト管理者やプロバイダは損害賠償責任を負いません。
① 権利を侵害した情報の不特定の者に対する送信の防止措置を講ずることが技術的に可能であること
② 特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されていることを知っていたか、当該特定電気通信による情報の流通を知っており、かつ、当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知ることができたと考えられる相当な理由があるとき