退職する従業員から年次有給休暇の買い取りを求められた場合、事業主は応じなければいけませんか。
年次有給休暇の買い取りは、事業主の側から請求することで、労働基準法39条の定める有給休暇を与えないことは認められません。
しかし、法定の付与日数を上回る分の「法定外年休」や「会社休暇」については、事業主からの有給休暇の買い取りが認められます。
また、有給休暇の付与日から2年を経過し、時効消滅した有給休暇(労働基準法115条)についても、会社が買い取りを請求することに法律違反の問題はありません。
さらに、退職時に未消化の分の有給の休暇の買い取りも違法ではありません。
ただし、従業員から会社に対して、未消化分の有給休暇を買い取るよう請求する権利はなく、また、会社がこれに応じる義務はありません。有給休暇の買い取りは、あくまで、会社の裁量の範囲内で行われるものだからです。
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