従業員のメンタルヘルス疾患について、使用者に損害賠償責任が生じる場合はありますか。労災認定がされた場合は、使用者の責任はどうなりますか。
労働契約法5条は、使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命・身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとするとして安全配慮義務を定めており、これに反し、従業員に損害が発生した場合には、使用者は民法上の損害賠償義務を負います。
従業員が業務に起因して疾病にかかったとして労災認定がされた場合には、労災保険から給付を受けることができます。 労災認定がされ、加えて使用者の安全配慮義務違反に基づく損害賠償義務が認められる場合には、使用者が負担すべき損害から、労災保険から既に同一の事由で給付がなされた分が控除される調整がなされます。
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