会社は3ヶ月の試用期間を定めていますが、その間であれば自由に本採用を断れますか。
会社は、就業規則で任意の試用期間を定めることができます。この場合の試用期間とは、実際の勤務態度や労働者の適性などを評価し、本採用するかどうかを企業側が判断するための期間のことをいいます。正社員、アルバイト、パートを問わず、会社の人材採用方法として認められています。試用期間中の企業と労働者との労働契約は、解約権留保付労働契約に該当し、試用期間中に当該労働者が自社の基準に合致しないと判断された場合、本採用を行わないことが出来ます。
もっとも,仕様期間中であっても労働法的解釈が当然に適用され、合理的な理由のない解雇を認めることは許されません。
具体的には、就業規則の規定の文言、試用契約の下に雇用された者への処遇の実情、本採用との関係での取扱いの慣行を重視し、これまで本採用拒否の実績があったか、労働契約書の作成をしていたか、他の企業への就職機会の可能性等を考慮し、採用決定後の調査や試用期間中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合で、解約権を行使することが客観的に相当と認められる場合にのみ解雇が認められることになります。
一方、労働基準法労働基準法22条但書4号は、14日以内の試用期間(試みの使用期間)であれば、解雇しても30日分の解雇予告手当を支払う義務がないと規定しています。
したがって、会社が就業規則で試用期間を定めていても、14日を超える期間での解雇に対しては、解雇予告手当を払う必要があります。
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