みなし残業代、固定残業代として、給与に上乗せして固定額を支払っている場合には、残業代を支払う必要がないですか。
みなし残業代、固定残業代とは、残業代を予め固定給に含める労働契約です。使用者からすると、固定残業代で残業代は支払っているとの認識を生じがちです。
しかし、みなし残業代、固定残業代といえるには、下記の要件を全て満たす必要があります。
① 従業員への周知
口頭ではなく、就業規則、労働契約書、郎党条件通知書などの書面で明記する必要があります。
② 固定残業代金額の明示
みなし残業代、固定残業代に相当する額が明示されている必要があります。「月給25万円(固定残業代を含む)との記載だけでは、無効です。
③ 対応残業時間の明示
みなし残業代、固定残業代金が明示されたとしても、何時間分の残業に相当し、いくら払うのか明示することが必要です。
また、賃金単価とみなし残業代が整合しない場合や、場合によってはみなし残業代が最低賃金以下の場合すらあるので、気をつけてください。
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