内定、試用期間(本採用までの採用内定,本採用後の試用期間)

内定

内定の取り消し

採用内定は自由に取り消せますか。

内定者と事業主は、内定者が卒業できない場合等には解約ができるとの条件を留保した労働契約(解約権留保付労働契約)を締結しています。

したがって、事業主と採用内定者は、解雇と類似の契約関係にあり、事業主は自由に内定を取り消すことはできません。


健康状態による内定取り消し

内定者の健康状態が悪いとき、内定を取り消せますか。

採用内定後に、勤務に耐えられないと予測されるほど著しく健康状態が悪化した場合には、取消が認められる場合があります。


内定者の刑事事件

内定者が逮捕されたときは、内定を取り消せますか。

犯罪の程度にもよりますが、相当程度に重大な犯罪行為を行った場合や、反社会的な行為を行ったと評価できる場合には、認められる可能性があります。


業務縮小と内定取り消し

業務縮小など事業者側の都合で内定を取消すことができますか。

この場合には、整理解雇の要件を満たす必要があります。
判例上、整理解雇の要件として、下記の4つがあります。

  1. 整理解雇の必要性があること
  2. 整理解雇回避のための努力を尽くしたこと
  3. 解雇の対象者選定につき客観的合理的な基準を作成し、適正にこれを運用したこと
  4. 整理解雇にあたり、労働者、労働組合と誠実かつ十分に協議すること

これら4要件を満たし、事業主が内定取消しを回避する努力を十分行った場合には、内定取消しが許される可能性があります。


内定取り消しの手続

内定取消の手続を教えてください。

採用内定取消しは、解雇と同様の手続きを取ります。したがって、原則として30日前にその予告を行う必要があり、30日前に予告をしない場合には、不足分の日数に見合った平均賃金を支払う必要があります(労働基準法第21条)。もっとも、内定期間中は会社に使用されておらず、賃金も受けていません。また労基法は、入社して14日以内の試用期間中の者には、解雇予告の手続は不要とされていることや、30日以上前に解雇予告する場合は、予告手当が不要とされるため、無意味に内定者を拘束して再就職活動を妨げることにもなりかねません。

従って、解雇予告や予告手当は不要と解釈することも可能です。ただし、内定取消しを円滑・円満に行うためには、予定していた初任給賃金の1ヶ月分程度の解決金を支払うことで解決するのが無難といえます。


試用期間

試用期間中の本採用拒否

会社は3ヶ月の試用期間を定めていますが、その間であれば自由に本採用を断れますか。

会社は、就業規則で任意の試用期間を定めることができます。この場合の試用期間とは、実際の勤務態度や労働者の適性などを評価し、本採用するかどうかを企業側が判断するための期間のことをいいます。正社員、アルバイト、パートを問わず、会社の人材採用方法として認められています。試用期間中の企業と労働者との労働契約は、解約権留保付労働契約に該当し、試用期間中に当該労働者が自社の基準に合致しないと判断された場合、本採用を行わないことが出来ます。

もっとも,仕様期間中であっても労働法的解釈が当然に適用され、合理的な理由のない解雇を認めることは許されません。

具体的には、就業規則の規定の文言、試用契約の下に雇用された者への処遇の実情、本採用との関係での取扱いの慣行を重視し、これまで本採用拒否の実績があったか、労働契約書の作成をしていたか、他の企業への就職機会の可能性等を考慮し、採用決定後の調査や試用期間中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合で、解約権を行使することが客観的に相当と認められる場合にのみ解雇が認められることになります。

一方、労働基準法労働基準法22条但書4号は、14日以内の試用期間(試みの使用期間)であれば、解雇しても30日分の解雇予告手当を支払う義務がないと規定しています。

したがって、会社が就業規則で試用期間を定めていても、14日を超える期間での解雇に対しては、解雇予告手当を払う必要があります。


試用期間と解雇予告手当

入社した会社の規定する2ヵ月目の試用期間中に、会社から本採用をしないと言われました。解雇予告手当を求めることができますか。

試用期間中でも、14日以上勤務している場合には、一部の場合を除き、解雇予告手当を請求することができます。

また、試用期間中の解雇が不当な場合には、解雇の効力を争うことも出来ます。

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